夢...現実...失望感...怒り...喜び...悲劇...

水曜日, 1月 25, 2006

あなたの要件は何?

我々は何かを望んで、他人に依頼することがある。望んでいるものを正確に提供者側に説明しなければいけない。この説明を問題記述或いは要求仕様(下記に要 件と呼ぶ)の集合という。あなたが望んでいることをあなた自身が知らなければ、あるいは知っていてもそれを伝えられなければ、望んでいるものを手に入れる チャンスは減ってしまう。だから、要件は重要なのである。

要求仕様に関する米国の専門家が面白い実験を行ったことがある。五つのプログラマチームに、ただ一つの文を違うだけで、後はまったく同じコンピュータ・プログラム要件を与えた。それぞれの違った要件は下記のようである。
  使用するメモリを最小にする
  アウトプットの読みやすさを最大にする
  プログラムの読みやすさを最大にする
  プログラムの文を最小にする
  プログラミング時間を最小にする

実 験結論として、"あなたが望んでいることが伝えれば、ほぼ確実にそれを手に入れる"である。実験によれば、プログラミング・チームの成果は要件に対して敏 感であることが判明した。各チームはまさに作るべく要求されたものを作ったのである。しかし、要求されなかったものは作らない傾向があることも分かった。 ソフトウェアの発注者が、プログラマは自分たちの望んだ通りのことをできないといった苦情が良く耳にすることがあるが、この実験で否定される。

そ れでは、発注者が望んだ通りのものができなかったことは何故か。実は多くの場合、発注者の自分の望んでいることをプログラマに明快に伝えなかっただけなの だということを確信されるようになった。従って、要件(要求仕様)というものソフトウェア開発にとって、一番重要なものである。

上記だけ を記述すると、プログラマは"そうだ、そうだ。原因は我々にあるものではない"と微笑みが浮かんで来る。そのようなことを考えているプログラマは言ってお く。"いや、原因はあなた方にも存在する"。これからのプログラマはただ言われて、"じゃ、やります"というスタンスだけじゃ、やっていけない。提案でき るプログラマ、つまりシステム・エンジニアーそのものが求められてくる。それはできます。それはできません。こういうふうにした方が良いと思います。等々 のような意見を言えるプログラマだけが生き残っていけるだろう。

月曜日, 1月 23, 2006

翻訳という仕事

翻訳という仕事は、一番難しいと言っても、過言ではないと思う。
元の文書が他言語で正確にかつ解りやすく表現するのは翻訳そのものだ。外国語が不 自由に扱えるにしても、翻訳ができるかというと、そうとは限らない。翻訳は、コンテンツライター以上に難しい仕事だと思う。経験、才能、そしてその分野に 関連する知識が絶対必要不可欠である。その為、翻訳者は限られた分野に属する仕事だと思う。インドネシア政治に関する翻訳ができるとしても、他の分野でも 翻訳者としてやれるかというと、そうとは限らない。だから翻訳と言う仕事は難しい。

日本でも良くあるパターン、初めて翻訳された技術文献は、訳解らない内容になってしまう。翻訳者の経験、才能はあると思うが、元の技術的な理解が不完全であるため、なんとなく無理な翻訳文献となってしまう。だから、翻訳という仕事は難しい。

イ ンドネシア最大な朝刊である、コンパスの1月23日版で、"翻訳者"についての記事があった。会社に着いて、ハリムさんから教えられた。会社で読む機会が なかった為、家に帰ったら、ゆっくり読んだ。ちなみに、私の生活パターンは、殆ど朝刊を夜帰宅後に読む。毎日6時前に家を出る為、朝刊を読む時間が殆どな い。そして、夜9頃家に着き、夕食を済ませてから、朝刊に目を通す。

コンパスで書かれている記事によると翻訳者には下記の3つのスキルが必要とされる。
 知識そのもの
 感情を表すスキル
 文書での表現スキル

多少でも翻訳が間違ったら、違った解釈にとられてしまう可能性がある。内容に対する知識が如何に重要なのかは言うまでもないと思う。そして、感情を表す能力。簡単に言えるが、思ったより簡単ではない。少なくて、僕がそう思っている。

勿 論、文書の表現スキルも必要。これについて、菊川さんのjjjブログの「コンテンツレクチャ」を読んで頂きたい。そこで、コンテンツを書くときに心がけな いといけないことが詳しく書かれている。そして、その言葉に対してスキル(言語能力)も文書での表現に大きく関係している。例えば、"作る"という言葉が 元文書の中に現れ、その文書を日本語に訳する。言うまでもないが、"作る"という単語は下記のどちらかの言葉に表現できると思う。
  make
  manufacture
  produce
  construct
  build
  create
  fabricate
  assemble
  turn out
  put together
思ったより多いことが分かる。
上記の単語のどちらを使用するのかは、上記の3つの要素がある人だけ正確に判断できる。そうでなければ、一応日本語の文書になったという結果になる。本来の翻訳目的、文書を書く目的に一致しない。だから、翻訳という仕事は難しいと思う。