指示と報告
指示と報告の大切さ
マネジメントの目的は仕事を円滑に進める為に行われたものである。マネジメントの中の一つは、指示と報告を正しく行うことである。これについて、誰も否定しないはずである。仕事を行う上で、常識と言えるだろう。" 指示と報告"という書き方は偶然ではない。指示があって、はじめて報告が出てくる。従って、"報告と指示"という書き方は同じように見えるが、詳細に解釈 すると違ったものである。指示の後に、報告が生まれる。だから、"報告と指示"ではなく、"指示と報告"が正しい表現である。
簡潔明瞭
指示も報告の伝え方は同じであるべきと言える。両方とも簡潔明瞭に記述及び伝えるべきものある。そうでないと、曖昧な解釈が生じ、お互いに誤解が発生する可能性が高くなってくる。
簡 潔明瞭に伝える為に、5W1Hという表現は良く用いられている。確かに、指示及び報告は可能な限り、5W1Hで表現するのは好ましい。これらは明確になる と、指示を受ける側及び報告された側にとって、より早い段階で判断でき、本当の"了解です"という答えが出てくる。"しかし、この件に関しては..."と いうような逆の答えもすぐ出てくるかもしれない。
例えば、指示に関して、なぜ明瞭に伝えるべきなのか、答えは単純である。本当の"かしこまりまし た"を早い段階で聞けるからである。逆に、曖昧な部分があるにも関わらず、なんとなく"はい、分かりました"の答えを受けても困るだろう。この状況が"ト ラブル"の種となる。途中で、"すみません、これは難しいです。どうしても間に合いそうもありません。理由は○○です"のような状況が生まれ、時間の制約 から見ると、取り戻すできなく、周りの人々に迷惑をかけてしまう。最悪の場合、納期に間に合わなくなってくる。全体的に、大損となる。時間を節約する為 に、明確な用件を洗い出さないままに指示を出したが、結果的に逆に何倍もの時間を消費されてしまう。
指示は大項目からはじめる
シ ステム開発の世界では、用件定義、設計、製造、テストと大まかな業務の流れがある。設計段階でも、基本設計と詳細設計という工程がある。これは、別の意味 では"指示"を明瞭にし、しかも明確にするためのものである。また、テスト工程でも、大項目、中項目、小項目のように、大まかなところから始まり、さらに 詳細化し、詳細な用件を満たすように段階的行われている。
なぜ、大まかな項目から始まって、少しづつ詳細化されていくのか。いきなり、詳細設計を行わないのか。これは人間のものごとに対する理解能力に関係していると思う。大項目を全体的に理解させ、それから詳細化していくのは、人間にとって理解しやすいと言える。
指 示を出す時も例外ではないと思う。いきなり詳細な用件を伝えても、受ける側にとって、整理しにくくなり、欠ける部分が出てくる可能性が大きい。詳細指示は 不要かというと、そうでもない。逆に大変重要なものである。しかし、最初に大まかな指示にまとめ、伝えるのも重要だと思う。
上司と部下、発注者と受注者
指 示は上司から部下に対して、出されたものである。用件は発注者から受注者に向けられてものである。両者の関係から見ると、同じものと言えるだろう。指示に 関して、上司は発注者であり、逆に部下は受注者である。逆にも言えるだろう。発注者は上司の立場であり、受注者は部下に等しいと言える。その上で、受注者 は提案でき、部下は意見を出すことも可能である。勿論、提案と意見は最善の結果を導き出す為のものだけである。従って、上司と部下、発注者と受注者の間に は、最善を尽くす為に、上記が重要だと思う訳である。(ねぇ、マロワさん!)